警視庁が発表した最新の交通事故統計(平成30年9月末)を分析

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最近、高齢者の事故のニュースをよく耳にします。本当に高齢者の事故は多いのでしょうか。しかし実際には、最も事故を起こしているのは20代のドライバーだという話も。もしかして、加熱した報道に踊らされているだけなのでしょうか。

警視庁の統計を基に交通事故の最新のデータを分析し、現在の交通事故の状況をお伝えします。

平成30年9月中に起きた交通事故の件数

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速報値によると、9月中に全国で起きた交通事故の発生件数は32,459件で、1日平均では1,089件となっています。(参考情報|交通事故 弁護士|弁護士法人アディーレ法律事務所)

前年比では4,927件下回りました。そのうち死亡事故は267件。1日の平均では8.9件となり、前年比では27件減少しています。死亡者数は279人。1日の平均では9.3件で、前年を20人下回っています。こちらは確定値となります。

負傷者の数は速報値で39,913人。1日平均では1,330人少なくなっています。前年と比べると6,130人の減少です。

平成30年9月末までに起きた交通事故の件数

今年9月末までの交通事故の発生件数は、315,137件で、前年同期と比較して30,572件の減少となっています。最も交通事故の多かった月は3月で37,806件。最も少なかったのは9月の32,459件でした。

1月~6月のすべての月で30,000件から40,000件の間に収まり、全体的に交通事故の件数は昨年と比較して減少しています。9月の交通事故数の減少は、9月21日~30日まで実施されていた「全国秋の交通安全運動」の影響が考えられます。

一方、すべての月で前年よりも交通事故数が減っているにもかかわらず、死亡事故は1月と4月に前年を上回りました。愛知県警の分析によると、1月は年始の休み明けに事故が発生しやすく、1月下旬には日没から夜間の事故が増えます。

特に、夜間、歩いている高齢者が死亡事故に遭う件数が多いそうです。4月は飲酒運転による事故が多くなります。職場の歓迎会や新しい環境で親睦を深めるために飲酒し、そのまま車に乗ってしまうケースです。死亡事故は、車の単独事故である場合も多いです。

平成30年9月末の交通事故の死者数

9月までの交通事故の死者数は2,458人。そのうち1,337人が65歳以上の高齢者で、全体の54.4%に当たります。ただ、何故かこの統計は年齢の区切りがまちまちになっており、単純に比較してよいかには疑問が残ります。

具体的には、15歳以下は一括りになっており、その後16歳~24歳、25歳~29歳、30代~50代は10年ごと、60歳~64歳がまとめられています。

そして65歳以上のすべての高齢者となっているため、もともとの人数が多くなっていることが考えられます。

また、被害者なのか加害者なのかはこの統計からは分かりません。

平成30年9月末の状態別の交通事故の死者数

最も多いのが、自動車乗車中で863人。次いで歩行者で830人。自転車走行中の309人となっています。高齢者の事故が取り上げられる前に多く取り上げられていたのは自転車の事故でしたが、やはり最も死亡者数が多いのは車でした。

こちらも、この統計からでは加害者になっているのか被害者になっているのかは分かりません。

平成30年9月末の年齢別・状態別の交通事故の死者数

年齢と状態を合わせて見た統計も発表されています。

これによると65歳以上の歩行中の事故が最も多くなっており、585人です。死者数全体では830人で、高齢者が7割を占めています。

65歳以上の自動車乗車中の事故は451人。死者数全体では863人で高齢者は5割以上です。報道では高齢者が加害者になるケースが多く取り上げられていますが、実際には歩行中に被害者になっているケースも多く、自動車乗車中の事故でも、事故を起こした本人も亡くなっている場合が多くなっています。

高齢者全体では、死者数が59人減少しており、前年比で4.2%少なくなっていることが分かります。

平成30年9月末の高齢者の年齢層別・状態別の交通事故の死者数

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65歳以上の交通事故の死者数の内訳では、年齢層が65歳~69歳、70歳~74歳、75歳以上に分けられています。これを状態別に見ると、65歳~69歳では、歩行中の事故が90人。自動車乗車中が79人。自転車乗車中が28人。

70歳~74歳では自動車乗車中の事故が最も多くなり100人の死者を出しています。歩行中は92人。自転車乗車中が43人です。75歳以上では逆転して歩行中が403人。自動車乗車中が272人。自転車乗車中が129人となっています。

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平成30年9月末の時間帯別死亡事故

時間帯別では、昼を日の出~日没まで、夜を日没~日の出までとしています。昼の死亡事故は1,363件、夜の死亡事故は1,039件です。状態別を合わせて見ると、昼間の事故で最も多いのが自動車乗車中で590人。

次いで歩行中の299人。自転車乗車中は205人です。年齢層では高齢者が6割以上を占めています。夜間の死亡事故は、歩行中が最も多くなっており531人。次いで自動車乗車中の273人。自転車乗車中は104人となっています。

こちらも高齢者が5割近くを占めています。歩行中が最も多くなっていることから、夜間は交通事故の被害者になっている高齢者が多いことが推測されます。

平成30年9月末の原付以上運転者の法令違反別死亡事故

死亡事故となった交通事故で、最も過失の度合いが大きい第1当事者が犯していた法令違反の1位は漫然運転で357件。運転操作不適が313件、脇見運転259件、安全不確認が246件となっています。漫然運転は高齢者が3割。

運転操作不適は高齢者が4割です。高齢者では年齢的な衰えが原因の事故が多くなっています。信号無視は40代の18件が最も多く、最高速度違反は16歳~24歳の28件です。

故意による違反は高齢者以外の割合が多くなっています。

平成30年9月末の事故類型別死亡事故

どのような事故が多いのかで見ると車両の相互事故が最も多く967件。次いで対人車両事故で776件、車両の単独事故は613件です。どのような場所で起きているかで見ると、交差点付近を含む市街地の交差点で791件。

次いで非市街地単路で723件、市街地単路が502件となっています。交通量の多い市街地の交差点で車両同士の事故が多く起きていると思われます。非市街地単路では、見通しが悪かったりスピードを出し過ぎてしまったりといった原因が考えられます。

平成30年の都道府県別事故の発生状況

9月中では最も事故が多かったのが大阪府の2,695件。次いで愛知県の2,693件、3番目が福岡県で2,403件となっています。9月末までで最も事故が多かった都道府県は、愛知県で25,868件。次いで大阪府の25,212件。

3番目は福岡県で23,085件です。今年全体で見ると、大阪府と愛知県の順位が逆転しています。こちらは速報値です。